“社会”を作るために、“会社”を作る ボーダレス・ジャパン田口氏vol.2

 
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会社の成長は、経営者の成長と一緒!?

―今や巨大な企業となりました。どんな成長を遂げていったのでしょう?

よく、「社長の器以上に、会社は大きくならない」と言ったりするじゃないですか。

その通りで、会社を立ち上げた頃って、超未熟なんですよ。人間として未熟なので、自分に余裕がなくて、いつもピリピリしていたりという空気が出ちゃったり。やろうとしていることは悪くないんだけど、”やり方”が人間として未熟なんです。

 

―社長も「人間」なんですね。なんだかホッとしました。

組織の問題ってコミュニケーションの量に比例するので、余裕がないと社員とのコミュニケーション量が少なくなるんです。

だからいろんな誤解を生んだりします。 そういった失敗を数こなしながら、「駄目だな、俺」とか「もっと大きな人間にならないと」とか、自己反省しながら成長していく。

そうすると、周りの人も「社長、変わってきたな」と少しづつチームワークが良くなっていく、そういうもんな気がします。

 

―社長って完璧な方ばかりだと思っていましたが、社長自身も見えない所でもがいているのですね。

みんなそうだと思いますよ。僕もまだまだダメダメです。

人が成長しながらどんどん変わっていくように、会社も成長に合わせてどんどん変わっていきます。だから、創業メンバーが最終的に幹部になる必要はないし、創業期が好きな人は会社が成長するに従って合わなくなってくる、とか当然あると思います。それはそれでいいじゃないか、と。

 

―創業メンバーがずっと一緒とは限らない、という事ですね。

もちろん、同じメンバーでずっと一緒にやれたら最高です。実際、ボーダレス・ジャパン本体は創業期のメンバーがたくさん残っていてボーダレスグループを引っ張ってくれています。でも、必ずしもみんなが同じように変化していくわけではないのでね、無理矢理やるものでもない。

 

―社長として特に気をつけていることはありますか?

創業者の一番の仕事は「文化」をつくることだと思っています。いつも使う言葉は、けじめ。けじめを大切にしよう。楽しくやる、だけどプロとしてやろう。

 

―けじめをつける=リーダーの役目なのですね!

もらった恩はきちんと返す。
「恩送り」の資金システム。

 
 
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―ちなみにボーダレス・ジャパンは面白い企業形態だと思います。どんな構造になってるのでしょうか?

グループ会社の株式はボーダレス・ジャパンが持っているので、形式上はホールディングス会社なんですが、実態は親会社・子会社の関係ではまったくないんですよね。

みんなで助け合うためにグループを構成して、各社の余剰利益はみんなの共通ポケットに集める。そのポケットを使って、次の起業家にお金を回していく「恩送り」のシステムを作っています。

 

―「恩送り」。斬新なシステムですね

会社を立ち上げるとき、起業家は自己資金は1円も出さなくていいんです。ボーダレス・ジャパンが創業資金だけじゃなく成長資金も全部出す、お金だけじゃなくてマーケティングや採用なども全面的にバックアップする。

その代わり黒字になったら、このサポートを次の人が受けられるように、今度は自分がお金の出し手になろうと。こういう起業家のエコシステムをつくっています。そのときに大切なのは「フリーライドしない」ということ。みんなが自走型人間でいる事が大切。

 

―根底が崩れてしまうからですね。一人一人が自立している事が大切だと。

一人一人が『Forbes』に載れちゃうような起業家になって、「こんなに凄いのに、なぜ一人じゃなくてグループでやってるんだろう?」って思ってもらえたら、一番美しいなとよくグループ社長たちとみんなで話しています。

僕らボーダレスの考え方って、助け合いなんですよ。起業家は自立はしたいが孤立したいとは思っていない。一人でやってもいいけど、本当に社会に大きなインパクトを出したいなら、みんなで協力し合った方がいいに決まっている。個人としてのエゴを超えて社会のために力を合わせる、お互いに助け合う、そういう相互扶助システムが起業家の世界にも必要だと思っています。

 

―それはちなみに、何か共通のルールみたいなものはあるのですか?

例えば、何か意思決定するときは、グループ社長全員がOKじゃないとGOにならない。

1人でもNOだったらNOにしてます。満場一致じゃないとダメ、多数決じゃないんです。

 

―全員OKというまで、意思決定しない、ということですね!なぜそのようにしたんですか?

1人がNOと言っているのには、理由があるだろうと。そこを無視して進む必要はない。その1人も超えられるだけのアイデアに昇華させれば、なおよくなるはずだという考え方なんです。みんなが同じ目標に向かっているなら、そのたった1人の違う視点も大切だ、という事です。これは多様性を大切にしているということではなく、「一つでも多くの社会ソリューションをつくるために僕らは集っている」という共通目標をしっかり共有している集団だからできることなんです。

今週も来週も、新しくグループ会社に入りたいという起業家がいて社長会が開かれるのですが、それも世界各国のグループ社長たちが全員集まってzoomで発表・審議をやりますが、それも全員OKが条件です。

 

―1人1人の視点を大切にする、いいですね。もし反対者がいたらどうするんですか?

ついこの前もちょうど、1人だけNOってことがありましたよ。

20人中1人だけ反対した時は「おまえ空気読めよ」みたいに思いましたよ。冗談です(笑)でも、そこにこそヒントがある。やっぱり、その意見には一理あるんですよね。

その一人をYESと言わせるために、また起業家と一緒にプランを練り直します。時間はかかるけど、やっぱりアイデアがブラッシュアップされるんですよね。なので、この満場一致のプロセスは起業家たちのビジネスプランの精度を高める上でも、とても大切なものになっています。

カルチャーづくりが、リーダーの役割

 
 
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―今、お話を聞いていて、NOと言える土壌がそもそも素晴らしいなと思ったんですよね。

そういう組織固有のカルチャーをつくっていくのが、リーダーの一番大切な仕事でしょうね。

ちなみにボーダレス・ジャパンは「エコロジーファースト」という共通言語があります。

 

―エコロジーファースト。具体的にはどうゆうことですか?

すべてにおいて環境が優先される、ということです。例えば、僕らがやっているAMOMAというハーブティーの通販事業はミャンマーの貧しい農家さんをサポートするためにやっています。だから、彼らから少しでも多くのハーブを買うためにはDMをばんばん配って宣伝した方がいい。だけど、DMは紙資源を使うし配送する車も環境に負担をかける。そんな時に、どっちを優先するかといったら「エコロジーファースト」だよ、と。農家さんのためだからといって何やってもいいわけじゃない、無駄な環境負荷をかけないという制約条件の中でできる最大限のことをしましょう、ということです。

 

―なるほど。そういえば、社員の方がお弁当を食べてる姿が印象的でした。

はい、うちのオフィスに来ている弁当屋さんの弁当は使い捨て容器は禁止なんです。ちなみに、うちはオフィスデスクにゴミ箱がないんですよ。

各自が出したゴミは自分で持ち帰ります。そうすれば、たった1日で自分がどれだけのゴミを出しているか分かる、そういう小さなことを徹底することで組織のカルチャーは根付いていきます。

 

―社員のみなさんの姿、和やかでほほえましかったです。

いい会社がどうかは、その会社にいけばすぐ分かります。

会社に入ったときの空気感に全部出てくる。楽しそうだけどけじめがある、そういう空気がにじみ出るような会社を創れているといいなと思います。

 ー沢山の貴重なお話、ありがとうございました!!

 
 
 
 
 
 
 
 
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