お金に縛られない体験のデザインvol.2

 
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“共感”に基づいた経済圏を作り出す

 

−鎌倉投信を経て、新たにeumoを設立した。これにはどういう背景があったのですか?

 私ね、自分の地位であったりそういうところにしがみつくのが大嫌いで。あるとき「今のままここにいれば安泰だ」と思ってしまっている自分に気づいたのです。そこでふと、もともとゼロだったからゼロでいいじゃないか、チャレンジしないなんてやっぱダメだよな、と思いました。金融の仕組みを見ても仮想通貨であったりいろんなものが出てきて、新しい時代が来ようとしていて、だからこそ自分たちも変わっていかないといけない。

 

—なるほど、でも安泰なところから動くというのはなかなか勇気がいることですね

 大人は「やって見せること」がすごく大事だと思うのです。左うちわで安泰で、というのが若い人から見たら全然かっこよくない。人生100年時代と言われている中で、「後半戦どうすればいいんだろう、歳とりたくないな」と思う若い人も多いじゃないですか、きっと。でもそうじゃなくて、「若いやつら見ていろ、50歳になってもこんなことできるのだ、むしろ50歳にならないとこんなことできないぞ」というのをやって見せていきたいのです。

 

−動く姿を見ることによって、若い世代が何かを感じ取ると

 そう。世代をつなぐとはそういうことだと思うのです。「教えるのではない、感じる」ことだ、という認識が大事。余計なお世話ですからね。見て感じるのは若い人たちだから、どう感じるかは知ったこっちゃないです。だから私は、「やって見せる」ことが大事だと思っています。成功の定義というのは難しくて、さっきも少し話したようにお金を稼げればいいというわけでもないですけど、でも私は「やって見せる」ことができれば成功だと思っているから、チャレンジしている時点で全部成功なのです。失敗というのはチャレンジしないこと。事業としてうまくいかなかったとしても、「そうやったらダメなのだ」というのを見せてあげられる。これはすごく大事なことだと思っています。

 

33万人の経済圏だったら自分でも作れる

 
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—eumoという会社はどういう理念でどういう仕組みを目指しているんですか?

去年ワールドカップにアイスランドが出ているのを見て、アイスランドという国は人口約33万人なのですが、それだけで一つの国として一つの通貨があって貿易ができるのだ、ということをふと思って。33万人の経済圏だったら私でも作れるなということで、それをやろうとしています。具体的に目指しているのは「共感をキーワードにした贈与経済圏」ですね。そのためにコミュニティ内でのみ使える通貨のようなものを作ろうとイメージしています。

 

−共感をキーワードに?

そう、今の資本主義とは違った、「共感資本主義」を作っていきたいのです。たとえば株主というのは投資した額に比例して議決権が増えますよね、これが普通の資本主義です。でも私たちがやろうとしている共感資本主義ではそうじゃないのですよ。いくら出しても得られるのはひとり1票だけです。その1票も、共感資本主義という理念に共感してその実現のためにコミットする人だけが持てます。

 

−コミットするとはどういうことですか? 

投資契約書の中に、「共感資本社会を実現するためにあなたは何をしますか?」と聞く欄があるのです。投資する人はその欄にそれぞれどういうやり方でコミットするか書く。書けない人には議決権はありません。それで株主総会を開くのですが、普通は代表がなにかを発表するのがメインじゃないですか。でもうちはそうじゃなくて、株主一人一人の一年の活動報告の場なのです。全員がどうコミットメントしたか、どう活動したかを発表します。このやり方は今の資本主義とは全く異なりますけど、よく考えてみればシンプルです。だって、理念を実現するためにステークホルダーたちが活動するのは当たり前のことじゃないですか?「共感資本主義なんて綺麗ごと言ったってできるわけない」なんて言われて終わらないように、私たちが実践していかないと。やって見せればいいのです。実際、9月(2018年)に設立して6月末(2019年)までに1億3500万円が集まりました。

 

 

社会のために頑張ってる人たちが、ちゃんと上手くいくようにしていきたい

 
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—さっき言っていたコミュニティ内通貨はどのように関わってくるのですか?

そうそう、この話もまた面白いのですが、株主優待として円は配当しないのです。発行するのはこの「共感資本主義経済圏」でのみ使うことのできる電子ポイント。つまり、「円を集めて電子ポイントを発行する」というのをやっているのです。

 

—その電子ポイントはどんな使い方があるのですか?

私は、人や人生というのは出会いで変わるものだと思っています。自ら行動し、いろんな素晴らしい人に出会う中で成長する、そしてそれが幸せなのだと思います。だから、どこか現地に直接行かないと使えない通貨にするつもりです。逆に、出会いを各地で作っていくとポイントは増えて行くようにしたいです。共感というネットワークの中で人との出会いを通じて使っていく。そんな通貨です。

 

—すごいですね、もうそんな時代が来るのは時間の問題でしょうね。 

僕はただただ、お客様を幸せにしたい、という風に思っていて。やっぱり社会のために頑張っている人たちが、ちゃんと上手くいくようにしていきたいのです。だけど社会のためにやると、原価率が高くなるのです。それでその結果利益が出ないというのはおかしいじゃないですか。だから、本当にやりたいものをちゃんとやって利益を出させるためには、贈与経済を作るしかない。価格に関係ない値段で買ってくれる人を作っていくことが必要です。そのためのプラットフォームを作っています。

 
 
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−たしかに、円に縛られてしまうと社会のためにというのは限界がありますね。

そう。だから新しいマネーを作るのです。社会のためにお金や時間を使えば使うほど自分が豊かになっていく、なんかもう騙されてるのではないかというくらいのものを作り上げたいんですよ。

そもそも人間というのは幸せのために生きていて、お金なんてそのための手段でしかないのに、人を説得できて客観性があるからいつのまにか優先順位が変わってしまっていますよね、お金に縛られているのです。でも、ちゃんともう一回定義し直せば、お金の奴隷でいる必要はなくなると思っています。

つまり何かというと、「社会のためになる行動はお金になって、社会を豊かにしない行動はお金にならない」ということ。このように定義して実際にそれを作るために、やっていくだけです。そこに共感していただける日本人が33万人以上いればって考えると・・・ワクワクしてきませんか?

 
 
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