事業のタネを生むのは「無償の愛」Vol.3 

 
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“人の成長”を促す方法

自分の中にある「恐れ」が
周りの人を窮屈にする

鳥越 事業が成長するためには、つまるところは人の成長が不可欠です。とはいえ、人の成長を促すのは難しい。

勝屋 そうですね。鍵となるのは、その事業の責任者が自分自身の殻を破って進化したいという欲求があるかどうかではないかと思います。

鳥越 誰かに成長してほしいと願っている、その人自身が殻を破れているかどうかということですね。

勝屋 そうです。殻を破って自ら進化を求められるか。自分が進化すると、存在がどんどん輝いてきます。その光に人は集まるんです。

鳥越 まさに進化し続けている人は輝いていますよね。

 
 
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勝屋 「例えば会社のミッションだから3年の任期でやる」という姿勢ではリーダー自身から“やらされてる感”が出てしまいます。

鳥越 それでは人は集まりませんし、集まったとしても“やらされてる感”の集まりになりそうです。

勝屋 そういう状態では部下をコントロールしがちです。クセでコントロールする人も多いですが、それはどこから来るかといえば「恐れ」です。

鳥越 「恐れ」ですか。

勝屋 例えば、「時間がないからこれやって」というのは、会社から売り上げを上げろと言われているからこそ言ってしまうこと。これは恐れです。そうではなく、愛を持って決定し、指示をしていくマネージメントが大事です。

鳥越 恐れではなく愛。

勝屋 こうすればお客さんはもっと喜んでくれるよねとか、オレたちみんなが輝けるよねとか、もっと自分らしく生きて仕事に取り組めるよねといった感覚ですね。

鳥越 ZEPPELINのクルーも、3、4年前を思い返すと窮屈になっていました。そのため各自がポテンシャルや才能を生かせませんでした。

その原因を探ると、やっぱり「恐れ」だったんです。

勝屋 ええ。

鳥越 しかも、その恐れの元凶は私にありました。私自身が恐れていたんですよ。

勝屋 人間は愛だけではなく、恐れもあります。でも、そんな自分を俯瞰して、愛を選択できるようにする。一番の愛って、まずは自分の愛で自分を輝かせることですよね。

鳥越さんは、自分の恐れに気がついた。

鳥越 そうですね。どうやって組織を変えていくのかを考えた時に、「自分自身が幸せでなければ、周りの人も幸せにはなれない」って思ったんです。

窮屈な状態に陥ってしまう人ほど、周りの期待に応えて、周りを幸せにしなきゃって思ってしまいがちです。

勝屋 そうなりがちです。

鳥越 でもそうではないんですよね。周りに目を向ければ向けるほど、自分を失ってしまい輝きもなくなる。そしたら、周りの人だって照らされなくなってしまいます。

勝屋 そうそう!

鳥越 周りの人を幸せにするにはどうすればいいか悩んで考え抜いたあげく、自分にフォーカスしてみたんです。

それで自分自身が幸せでなければ周りを幸せにはできない。そういう発想になったんです。そう思えた時から、すべてがうまく行くようになりました。

勝屋 この切替が肝になって来ますね。簡単なようで難しいと思います。

愛と美意識が足りない、現代の企業経営

 
 
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鳥越 自分自身が幸せになる、そのベースには愛が必要だと思うんですが、「愛」という言葉をもう少しわかりやすく分解できないかなと思っています。勝屋さんにとって、愛とはどんなイメージでしょうか。

勝屋 「これやってあげたい、その代わりこれちょうだいね」というのは、愛もあるんだけど純粋な愛ではない。駆け引きになってしまっています。

そうではなくて、純粋に「これやりたい」という思いは愛に近いかもしれないですね。例えば、鉄道ヲタクの人が鉄道について語っていると、こちらも吸い込まれそうになる。あれも愛かな。

鳥越 愛ですね。

勝屋 それから人間の中にある優しさとか、人を思いやる気持ちとかも愛だと思います。

鳥越 愛がなければ相手に安心感を与えられないですからね。自分の無償の愛を一方通行で相手に届ける、見返りは求めない、そうすることで安心感を与えることができる。

勝屋 それから愛には純度もあります。ここに「ビューティフルワールド」とあります(ZEPPELINのロビーには、大きく「WE CREATE BEAUTIFUL WORLDS」と書いてある)が、まさにこれだと思います。

美しくなればなるほど、それは愛なんだというのが、僕の中の定義としてあります。ピュアな欲求とか、情熱とか。

鳥越 逆に言えば、ピュアな欲求や情熱というのは美しいのでしょうね。そしてピュアな欲求や情熱の根本は愛であると。

勝屋 そう思います。その純度が高いほど愛も強くなる。

鳥越 ビューティフルが愛につながるということは僕も思っていました。そして、これからの時代には美意識がすごく重要になってくるのではないかと思うんです。

現代において事業成長と美意識がまったくリンクしないケースがあります。一方グローバルに成長している企業の経営者は美意識を学び始めていて、美意識と事業性がかなりリンクしています。

勝屋 美意識と事業性の関係ですよね。

鳥越 時に事業成長のためならなんだってやっていいというケースもある。どんなコンテンツでも扱うとか、法律のグレーな部分を狙って何をやってでも事業成長を達成しようとか。しかし、そこには美意識がない。

 
 
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勝屋 大切なのは、「あり方」なんですよね。

鳥越 企業としての「あり方」が必要ですよね。自分たちのあり方というのも、愛につながるひとつなのかもしれません。だからこそ、美意識がしっかりしている企業や人に、人間は惹かれるし愛を感じる。

勝屋 自分をもっている人、自分を生きている人と言えるかもしれないですね。

鳥越 美意識がないと、何でもかんでも取ってやろうということになってしまう。

勝屋 それはあります。Do / Haveの繰り返し。何かDoして得ても満足しないからHaveして、それでも認められないから今度はこちらをやってみてと、どんどん止まらなくなる。資本主義的になる。

そこには、愛がないということもそうですが、やっぱり恐れがあるんですよ。

鳥越 そうですね。私たちの中に恐れが生まれるから何もかも取っていかないと満足できなくなってしまう。

勝屋 恐れは誰もが持っているので、自分が恐れの状態にあることに気付けるかが大事です。

でも、私を含めて多くの人は恐れを感じている自分に気付きたくないから、恐れを無かったことにしてしまう。

鳥越 私もそうなってしまいます。

勝屋 でも、それをやってしまうと自分の嘘偽りない感情とつながらなくなってしまう。それがひどくなると恐れに身を任せて、急に怒り出したりしてしまうんです。

鳥越 自分を俯瞰して、恐れている自分も自分なんだと認められる。そうすることで自ら成長し、自分自身の幸せも考えることができるようになる。ひいては周りの人を幸せにすることができる。

勝屋 なかなかそうはなれないけど、一度気がつき出すとどんどん良い方向に物事がまわり始めます。組織だって変わっていく。

鳥越 その先に事業の成長があるということですね。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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