FintechのUIUXはAIやARによってどう変化していくのか?

 
記事サムネイル-FintechはAIやARによってどう変化していくのか?.jpg
 
 

AIやARとFintechの合流


フィンテックの領域において新たなテクノロジーや総合的なプロダクトが続々と登場し、顧客による様々なデータへのアクセスや、無駄のない体験享受が可能となっています。

2018年には、GDPR(EU一般データ保護規則)の導入や、オープンAPIを要件とするやオープンバンキングが開始しました。

フィンテック系企業は顧客データの保護や、銀行で運用するシステムの更新などで新しいソリューションを模索しており、とくに口座開設手続き、クレジットカードの申請、コスト管理や、ペイメント系サービスに目を向けています。

アジア太平洋市場においては、銀行、スタートアップ企業、規制機関などが相互協力体制を築くことによって、非常に短期間でのオープンバンキング実現が進みました。たとえばシンガポールでは、金融庁(MAS)と銀行協会(ABS)が連携し、より早く、より簡単に国内のどこにいても支払いができる電子送金用ネットワーク(NETS)をローンチし、オープンバンキング促進をはかりました。

2019年においては、AIやARの技術がこうしたフィナンシャルサービスへの合流を始めています。パーソナルファイナンス、チャットボット、保険など、多様な角度から、様々な成熟度をもった、新しいアプリケーションが増殖しています。

 
 
シンガポールの電子送金ネットワークNETS

シンガポールの電子送金ネットワークNETS

 
 

AIによるセキュリティ向上、不正検知

AIでは、たとえばローン申請者のデータ(不払い履歴、リアルタイムの行動データなど)から債務不履行のリスクを計算するなどして、自動的に借入れ資格を判断する新たなスコアリングシステムが銀行で利用されています。コグニティブ・コンピューティングのおかげで構造化、非構造化を問わずデータ管理を行うことができ、人の手では時間がかかりすぎてしまうようなデータ処理が短時間でできるのです。

また顧客の行動、場所、支払い習慣などを解析し、異常発生時にセキュリティを発動させるなど、資金洗浄やその他の不正行為の取り締まりでも機械学習は非常に役に立っています。

たとえばバンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴといった銀行は、上記のような機能に加えて、実際のトランザクションはもちろん、必要な支払いや計画的な貯金に関する通知、各種情報提供まで、銀行とのよりスムーズなやりとりを可能にするモバイルバンキングアプリの導入に成功しています。

 
 
https://airbnb.design/sketching-interfaces/

https://airbnb.design/sketching-interfaces/

 
 

ARによる金融データのビジュアライゼーション


テクノロジーの躍進はまだそこで止まりません。金融機関がとくに苦戦しがちであるデータの可視化がAR技術によって可能となり、繁雑なデータの流れや、流動的なトレンドの把握などでアナリストの支援ツールとして使われています。

セールスフォースも現在、ユーザーが様々なデータを直感的に扱える没入型の3D拡張環境を提供するために、廉価版オキュラス・リフト(ヘッドセット)用のデータ解析ツールをつくっています。内容は厳密に言えば仮想現実ですが、アプリでのAR技術もそう遠くない未来実現してくるでしょう。

ポーランド発のフィンテック企業であるコマーチは、スマートウォッチやスマホでのコミュニケーションに加え、ヘッドセットを用いた仮想空間でのミーティングやプレゼンを可能にするARエコシステムを、小口投資家や事業主むけにつくりだしています。

コンピューターのデータ処理能力を人の専門知識や意思決定につなげる力を企業に与えたのがAIであれば、新たなテクノロジーで金融をソフト/ハードの両面から変えていく次の自然なステップはARでしょう。3D技術によって、データを理解しやすいように提示できるだけでなく、複雑なデータでもモデリングできるようになります。

 
 
 
 

ミレニアル世代に受け入れられる金融プロダクトが求められている

では消費者の方はどうでしょうか。金融テクノロジーに押し寄せる変革の波は、ARやAIによってかなり身近に感じられるものになっているのではないでしょうか。企業に比べると、消費者のほうが新しい習慣を取りいれやすい立場にあります。

とくにスマホがありふれたものになった今、つまり、誰もがプラットフォームをポケットに入れて歩きまわっている今、きちんと見返りのあるAR体験を提供すれば消費者は受け入れるでしょう。正式リリース前から早くも色んな国に広まったポケモンGOを見ると明らかです。

もっとも影響が出るのはミレニアル世代や若者でしょう。若年層は、銀行からではなく、グーグル、ペイパルやアップルから新しい金融プロダクトを待ち望んでいると言われています。それどころか、同年齢帯の33%は従来型の銀行と一切取引することなくお金まわりの管理を行うであろうことが見込まれています。金融機関がテクノロジー分野で競争力を維持するためには、消費者フレンドリーであるAIやAR技術を取り入れていかなければなりません。

Visa欧州は、BlipparというARアプリと手を組み、ユーザーが店舗の棚から即時的に購入、あるいは第三者からでも購入を行えるサービス提供をはじめました。ユーザーはすでにスマホとクレジットカードを所有しているので、こうしたサービスを享受するハードルはあまり高くないのです。消費者向けテクノロジーのなかでも、金融テクノロジー系のアプリが最初に取り扱うのはおそらくペイメントシステムでしょう。

 
 
 
 

 

その他のコラム一覧

 

ZEPPELINについて

事業づくりにはテクノロジーとデザイン共に精通したプロフェッショナルが必要です。AI/ARを始めたとしたテクノロジーと、14年以上培ってきたクリエイティブを掛け合わせて事業創出を伴走いたします。

 
Zeppelin Inc.