MVPの次の"MVE"。実用最小の体験価値がサービスづくりを加速させる。

 
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プロダクトを巡る時代の変遷

デジタル時代を経てAI時代を生きる私たちにとってデジタルサービスはもはやわざわざ意識する必要がないくらい生活の中に溶け込み、それはAIを経てさらに加速しています。そこにいたるまでデジタルプロダクトはどんな進化を遂げてきたのかをまず見きましょう。

1980年代
軽さ、重さ、丈夫さ、安さという製品のスペック視点が重視された。

1990年代
製品にサービスという価値が加わった。例えば、当時のネットフリックスはDVDという製品に加え、見たいDVDを注文すると家に届くサービスを提供した。

2000年代
顧客中心の時代。ソフトウェアを通じて顧客は何が欲しいのか、顧客のために何ができるのかという動向が重要になった。

2010年代
関係中心の世界。SNSで繋がり、レビューを意識し、多様なデジタルアイデンティティを基に様々なものを関係を結ぶ時代。

そして2020年代
AIやIoTを中心にしてテクノロジーはより透明に、はっきりと認識しづらくなり、そのテクノロジーをユーザーにどう体験してもらうのか?が重要な時代になるという大きな潮流になってきているのは紛れもありません。2010年代後半からその傾向が顕著になり始めています。VR、Home Device、AR、AIなどまだまだ人間から遠く、かつ人間の体験をガラッと変えてしまう可能性を持つ技術が多く存在するのです。

透明な技術を使い、見て、嗅いで、食べて、聞いて、触れて、五感を全部使い、生活に染み込むようなサービス体験を提供することが重要な時代になりました。

 
 
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体験の複利を生み出すことがキーポイント

すでにデジタルサービスは体験性こそが生き残る生命線となっています。

音楽アプリは曲やアーティストの数はほとんど変わりません。

Paymentサービスは決済できる手段はほとんど変わりません。

しかし、明確にサービスとしての差異が存在するというのが現実です。生き残っていくサービスには離れられない体験があります。最後には体験にどれだけ投資できたが勝敗を分けることになるでしょう。

ZEPPELINは体験の複利というものがこの時代には存在すると考えています。

関係の時代から続くのは初期評価がその後のプロダクトの明暗を分けるということです。サービスを使った際、悪い体験した62%の人が、良い体験をした72%の人がそれをシェアするというレポートがされています。

新しいアプリ、新しいサービス、新しい服、新しい店を利用する前に、良いかどうかをどう判断するのはレビューが大きな役割を占めます。

顧客の最初の体験が悪ければ負のスパイラルに陥り、良ければ正のスパイラルに入ることができます。それはまるで金利のように、元本がどんどん膨らんでいき得られる利益を増えていく複利のような現象が起きるということでもあります。

では良い体験の複利を獲得できたサービスを見てみましょう。

例えば初代iPhoneが選ばれたのはなぜでしょうか。スペック見ると同じ時期のHTCの携帯の方が画面、プロセッサ、カメラ、メモリ、ハードディスクの性能が良い。録画もできる。ではなぜiPhoneが選ばれたのでしょうか?

次はAirBnB。AirBnBは2008年から始まったがそれより前にVRBOというサービスがありました。VRBOはAirBnBと25年以上同じことをやっておりそしてできることも多いはずなのになぜAirBnBが選ばれVRBOは選ばれなかったのでしょうか。

そしてAirBnBとAppleの共通点は何なのでしょうか。

そこにはMVE(Minimal Viable Experience)という概念が大きな役割を担っていると私たちは考えています。

 
 
 

実用最小の体験価値(Minimal Viable Experience)こそが全て

成功するプロダクトは、必ず、実用最少の体験を中心にしているというのが根本にあると捉えてはどうかと思っています。そしてAI時代、体験の時代にはそこに投資しなければ大きな痛手を後から被ることになるはずです。

1つの体験価値を生み出し、そこから機能拡大をする。それこそ王道であり不変のサービス価値の生み出す形です。iPhoneやAirBnBが広まった理由もそこに隠れていると私たちは考察しています。

初代iPhoneが提供した一番の体験価値は携帯電話で音楽が聞けるということです。

その当時の一般的な体験はiPodやウォークマンとガラケーの2台持ち。それがひとつになった。他のandroidのスマホはイヤホンジャックがついていなかったのです。

だから音楽をインターネットや電話ができる携帯で聞くというのが最初のコアな体験でした。スペックとしては他のスマホの方が優れていました。しかし音楽は聴けなかった。それが重要なポイントだったのです。

ではAirBnBではどうか?こちらもとても単純で、ホテルじゃない部屋を予約する、それだけの機能を最高に気持ち良くできるということです。今でこそAirBnBにはエクスペリエンスなどいろいろ出ていますが、最初は誰かの家に泊まるというたったそれだけの体験にフォーカスし、それが人の心を掴み広がったのです。

 
 
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皆さんの作ろうとしているサービスのMVEとは何でしょうか?そこに気づくことこそ体験の時代、そしてAI時代のサービスづくりにおいてもっとも重要なポイントだと私たちは考えています。


 

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