なぜ今”デジタルイノベーション”なのか?

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日本企業は、デジタル時代のイノベーションを生み出す主体になれないのだろうか?

その問いに対する回答のひとつが、ZEPPELINが見出した独自のメソッド「デジタルイノベーションTM」。サービスの導入にあたって、弊社代表の鳥越康平がその想いを書き下ろしました。

グローバルでの影響力を失った日本企業

アメリカのサービスが世界を席巻している。20年前の世界の時価総額ランキング企業と現在のそれを比べると、日本の企業はランキングから消え、グーグルやアマゾンなどアメリカと中国のソフトウェアサービスの会社の名前がずらっと並ぶ。

時価総額ランキング上位企業(1992年と2016年) / グローバルでは大きな変化、日本は同じ顔ぶれ

そしてここ数年、アメリカに代わり中国の台頭が目覚ましい。驚くほどのスピードで急成長をし、テンセントの時価総額は64兆円でFacebookを抜き、アリババの時価総額は50兆円を超え(ソフトバンクは12兆円※2018年9月30日現在)、ファーフェイはアップルを販売台数で追い抜いた。10億人を超える巨大マーケットを背景に中国から数億人のユーザーが使い、数兆円の企業価値を持つメガベンチャーが次々と現れている。

日本企業が製造業で世界のトップに躍り出た栄光はもはや過去のものとなった。1990年代以降、デジタルの波に気がつかず乗り遅れた日本企業はあっという間に世界からその地位を失ってしまった。


“デジタル”に適応できなければ未来はない

キーワードはデジタル化だ。

より詳しくいうなら、ソフトウェア主体の事業展開ができるかどうか、ということが現代におけるいかなる企業においても最重要事項になっている。

それはなぜか?

主にスマートフォンの台頭と通信技術革新によって、人々はこの10年間、ハードウェアが提供できる価値をはるかに超えた価値を、ソフトウェアサービスから享受するようになった。

朝起きてから、電車に乗り、会社で仕事をし、家に帰り、寝るまで、その全ての時間においてほとんどの時間を、検索やSNSや動画サービスなどのソフトウェアサービスに触れている。

 
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ソフトウェアサービスを動かすためにもハードウェアは引き続き必要だという考えももちろんある。今後もハードウェアの技術革新はなくてはならない。しかし、ハードウェアを作れる技術は飽和してしまった。そのプロセスやナレッジは世界の様々な場所に伝わり、日本でなくてもどの国でも高品質なものをつくられるようになってしまった。つまり、差別化ができない。

実際、中国の各社モバイル端末製造メーカーは日本よりも高品質な製品を、日本よりも早く、大量につくれるようになった。

そして、ソフトウェアサービスは国境の制約を受けずに次々と日本の市場に入ってきている。グーグル、facebook、ツイッター、インスタグラム、アマゾン、Air bnb、数え上げればキリがないほどのサービスが日本の市場を貪欲に開拓しようとしている。

 
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日本企業の問題は、このデジタル化の波に乗り遅れたことだ。日本企業の中にはソフトウェアサービスのナレッジやプロセスについて精通している人材が他の国に比べて極端に少ない。

アメリカも中国の企業も、どの企業においても急速に成長している企業は人材の大半がエンジニアやソフトウェアサービスに精通しているメンバーで構成されている。

日本は戦後培ってきた製造業のプロセスが強すぎるあまり、新しいナレッジやプロセスを導入しようとしなかった。それがこの30年間の間に日本企業がグローバルで影響力を失ってしまったことの根本的な要因だ。


”デジタルイノベーション”は起こせる

日本企業は、デジタル時代のイノベーションを生み出す主体になれないのだろうか?

ZEPPELINはいくつものプロジェクトを通してその難しさを実感しながらも、日本企業だからこそ強みが発揮できるプロセスを20年近くかけて築いてきた。デザインという軸からアプローチし、多くのグローバル企業と共に新しく画期的なサービスを作り続けた中から見つけ出した最も効果的で最高のプロセスだ。

ポイントは、

1:検証の高速化

2:組織のマインド変化

3:独自の価値基準を持つ

の三つだ。

日本企業では、失敗しそこから解決策を得て次へとつなげる流れが極端に遅く回数が少ない。デジタル時代における新しい価値を見つけるために必要な仮説と検証を、効果的かつクリエイティブに高速で行うことが必要だ。

 
 KDDI イノベーティブパートナーシップ プロジェクト風景

KDDI イノベーティブパートナーシップ プロジェクト風景

 

そして、何より「検証の高速化」を実現するための組織のマインド変化が非常に重要となってくる。組織に所属する経営者から社員に至るまで、その全員のマインドが揃っている必要があるが、意識改革は適切なプロセスを踏まえてやらなければならない。

最後に、新しい価値を生み出している組織には、必ずその組織が何を成すために存在しているのかをいい切ることができる。それはつまり、組織として成し得たい独自の価値基準が、組織の中の“一人一人”にまで浸透しているからに他ならない。

これら三つの要素を中心に据え、デジタル時代に新しい価値を生み出すし、事業を小さな芽からしっかりと育てていく組織の仕組みをこの”デジタルイノベーション”プロセスでは導入することができる。

 
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ソフトウェアサービスを始めるために必要なことを0から知ることができ、一つ一つのプロセスを学び、精通していくことで、デジタル時代に必要なエッセンスの全てを学べるようになっている。

エンジニアやデザイナーでなくても、無理なく無駄なく学ぶことができ、そしてそこで行う全てのことはそのまま事業化に繋げることができる。

検証と失敗を繰り返し、失敗から学んだことを次のステップへと高速で活かすことができ、組織にいる全員のマインドがアップデートされる。この実践的なプロセスがデジタルイノベーションであり、デジタル化時代に必要な根本的で本質的な解決策である。

デジタルイノベーションによって日本企業はアナログとデジタルが融合した新しい事業体をつくることができると信じている。

失われた30年をここから取り戻すために。

(執筆:鳥越康平)

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