事業のタネを生むのは「無償の愛」Vol.1

 
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『 “違和感”の見つけ方』

 

突然のリストラで見えた、

自分の心が充足できる生き方

鳥越 勝屋さんは長いことIBMで働かれていた。しかし、次第に「本質=ダイヤモンド」を隠してしまい、ニセダイヤに覆われていってしまった。そこからどうやって今の勝屋さんに変わることが出来たのかを聞かせてください。ニセダイヤに覆われた会社員時代に、本質が見えた出来事とは何だったのでしょう?

勝屋 1つ目は37歳の時のプロジェクトで、鳥越さんのようなスタートアップの経営者に出会う仕事をやらせてもらったのがきっかけです。そういう会社にIBMの商品を販売する営業のリーダーでした。

スタートアップの経営者の人たちって、鳥越さんを見ててもそうですが、本当に自分を生きているじゃないですか。

鳥越 苦しい部分が多いですが、もしかしたら自分の思うようにやれているのかもしれませんね。

勝屋 お金がなくても元気だったり、とてつもなく大きな夢を持っていたり。そのIBM時代にすごく驚いたのが、目の輝きがIBMの社長や役員よりもキラキラしていたんですよ。

鳥越 そんなにキラキラしていたのですか?

勝屋 キラッキラですよ! 衝撃でした。そこからです、自分の心と向き合い、本当に自分がやりたいことってなんだろうって考えるようになったのは。

鳥越 大企業にいると難しいですよね。自分自身が気がつかなければ変えようもないですから。おそらく、外ばかり気にしていた視点が、自分という内側に向いていったんですね。その頃からですか、人と人をつなげることをされるようになったのは?

勝屋 そうですね、当時から人と人をつなげることが好きでした。競合する会社であっても、その会社のイケてる人や、スタートアップの経営者、ベンチャーキャピタルの投資家、弁護士、メディアの方や中央省庁の方まで、敵対関係も含めて僕の好きな人たちとその友達を100人くらい集めて完全招待制のイベントを月に1回やりました。

鳥越 今ではそういったイベントは当たり前ですけど、当時は少なかったはずですよね。

勝屋 そうだと思います。そこからあたらしい会社がたくさん生まれたり、アライアンスとかM&Aとか、僕の知らないところで自然とつながっていったんですね。

鳥越 まさに勝屋さんのコネクターとしての力が見えはじめた瞬間ですね。

勝屋 僕の「内なる欲求」からやっていたことだったのですが、それがみんなに喜ばれたことで、段々と自信がついてきました。会社の仕事もすごくうまくいって評価もされていたのです。

鳥越 好循環になりはじめたのですね。

 
 
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勝屋 ところが、社内で僕を認めてくれていた人が人事異動でいなくなり、上長が変わったことにより、いきなりリストラされたんです。「残り1週間で辞めることを決めてくれ」と。

鳥越 今ならさらっと言えるのでしょうが、外資系企業の怖いところですね。でも、勝屋さんなら色々な会社から声をかけられたのではないですか?

勝屋 スタートアップの方たちや、知り合いからもオファーをもらいました。でも、自分が本当にやりたいことを探していたら、既存の職業でやりたいものが全くないと気づいてしまったんです。

鳥越 (笑)ある意味すごいところまでいってしまいましたね。

勝屋 その時に、友人のスタートアップの経営者で今は、セプテーニ・ホールディングスの社長をしている佐藤光紀さんに相談したら、「カッチャマンは人と人をつなげるのが得意だから、『プロフェッショナル・コネクター』って職業を作ったらいいんだよ」と言われたんです。

鳥越 それでプロフェッショナル・コネクターという職業が生まれたんですね。やりたい仕事がなければ、つくってしまえと。

勝屋 そう。そして、もう1つ僕が本質を見つめる大きな出来事がありました。今の奥さんでもある祐子さんとのことです。

鳥越 何度もお会いしていますが、とても素敵な方ですよね。勝屋さんと似ているけどまた違う力を持った。

 
 
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勝屋 そうなんですよ!でも当時は、僕はリストラされたので。祐子さんが財も権力も肩書きもない僕からは離れていってしまうと思っていました。それも僕が抱いていたニセダイヤ的な観念だったのですが。

そしたら祐子さんは、「私がなんとかする。あなたは絶対にうまくいくから大丈夫」って言ってくれて。

鳥越 そこまで言い切ってもらえると勇気が出ますよね。その言葉によってどう感じられたのでしょう?

勝屋 その時、僕ははじめてものすごく「許された」感覚になりました。それから自分のやりたいことを言語化して、「人と人をつなげて、心が躍るような場をつくる」という言葉が生まれました。それ以降そのメッセージを発信していたら、瞬く間に色んなお仕事をいただくようになったんです。

鳥越 大切な人に受け止めてもらって、「許された」ことで新しい自分をつくり上げることができたのですね。

勝屋 それが48歳のことで、私の中から勝ち組・負け組の世界観はなくなり、自分の心が本当に充足する生き方をしたいと思えるようになりました。


恐怖感に打ち勝てるのは、心から湧き出る情熱のみ

鳥越 あたらしいものをどうやって生み出すかという観点でいうと、勝屋さんは0からあたらしく「プロフェッショナル・コネクター」という職業を生み出した。それはものすごいことです。

逆に会社員時代は、なぜ一歩が踏み出せなかったんでしょう。恐怖感のようなものですか?

勝屋 恐怖感はものすごくありました。何かやり始めたいけれど自分を抑えつける心というか。

鳥越 それはどうやったら乗り越えられたのでしょう?

勝屋 それ以上に抑えられない自分がいました。

鳥越 ごまかせない自分が見つかったと。

勝屋 そうです。ベンチャーの経営者やスタートアップの知り合いと話す内に、次第に自分も情熱が湧き上がってきてしまって、ごまかせなくなりました。

鳥越 熱量高い人が多いですからね。心の奥底から外側まで情熱で繋がっているというか。ニセダイヤを纏わなくても生きていけるというか。

勝屋 何かあたらしいものを生み出すのは、僕は情熱が原動力になると思います。恐れは人間誰しもあります。それを無理に覆い隠すわけでもなく、それ以上に肝の部分から、「こうやって」生きていきたいとか、こういうことを成したい。というような情熱が湧き上がってくることによって恐れを乗り越えられると。

 
 
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鳥越 現代は割と左脳的なプロセスやロジックが語られることが多いですよね。だからこそ情熱がどうやって生み出されるのか?情熱によってどうやってあたらしいものが生まれるのかを語ることは重要だと思います。

勝屋 あとは「違和感」が大事ですね。僕がベンチャーの経営者と出会ったときの「違和感」。なんでこんなに目がキラキラしているんだろうって。そういう違和感って、たぶん心や感情から来ているのだと思います。

鳥越 私も常々そういう「違和感」に気付けるかどうかで、人生の選択肢が変わってくる、ひいては未来が変わると考えています。

勝屋 そうです。自分が本当はどういう風に感じているのかとか。今、自分は本当に充足しているのかとか。でも、そこに向き合おうとするのは怖いことです。最初は誰でも恐れてしまいます。

鳥越 違和感は「自分が殻に閉じこもっているよ」と言われていることと同じだからでしょうね。自分の弱さや限界を思い知ることは怖いですから。

勝屋 でも実は、怖さや恐れを抱えているのも本当の自分なんだと気付きだすと、同じ自分の内面に存在する情熱にも気がつくことができて、新しい自分を見つけ出す気力が湧き上がってくるんですね。

鳥越 まさに、情熱は怖さや恐れと同じ場所に存在します。ちなみに、そういうことに気付きだしたのは、リストラに遭ってからですか。それともその前からですか?

勝屋 実はずっと悶々としてました。10年くらいずっとです。だって、鳥越さんみたいな人に会ってたら楽しいじゃないですか(笑)。たまに妬んだりとかして、「ちくしょー」とかね。でも、「俺はできない、そんな勇気ない」って思うことの繰り返し。

鳥越 でも、ある日それを飛び越えることができた。

勝屋 リストラで強制終了でしたからね。良くも悪くも変わるしかなかった。そういうキッカケをもらいました。

鳥越 そのキッカケを良い形で乗り越えたのは大きいですね。

勝屋 さらに、50歳で画家に転身したのですが、その時にも恐れがありました。本当にできるのかなって。でも、やってみたらできてしまったんです。誰もがやらないだけなんだと思います。

鳥越 恐れがありますからね。本当にうまくいくかどうかなんて誰にもわからないし、誰も保証してくれない。現状のままであれば大きく道を外してしまうことは避けられますから。

勝屋 だから大事なことは、世の中の常識とか、自分の常識、信念がありますが、それを疑えるかなんです。

鳥越 例えば、「大企業に勤めなければならない」「自分がやりたい事はやれない」「夢を追いかけ続けることなんて出来ない」というような、いつの間にか自分の殻になって、自分を覆ってしまっていることをどれだけ疑えるかが鍵なのでしょうね。

勝屋 スタートアップの経営者でも、頑固な経営者は伸びません。それよりも、「もしかして僕の考え間違ってるかも」と思えるような経営者の方が伸びます。それは経営者だけではなく、僕も含めごく普通の人にとっても重要なポイントです。

 
 
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鳥越 ただ、そこに気付くまでは、観念そのものが自分の当たり前になってしまっていて、見えなくなりますよね。そもそもその観念に囚われている、殻に覆われてしまっている自分に気がつかない。

勝屋 僕も、そして周りも見えていませんでした。だから、リストラされて「プロフェッショナル・コネクター」をやると言った時に、周りはみんな心配顔でしたよ。でも、スタートアップの経営者からは、「おめでとう!」って言われました(笑)。同じ事象でも捉え方によってまるで違う。

鳥越 観念に捉われて、踏み出したくても踏み出せない。変なところで自分を守ろうとしてしまうんですよね。

勝屋 あと失敗を恐れる心もある。大企業では失敗を許さない文化もある。でも、新しいことにチャレンジして失敗したら、経験値になりますからね。

鳥越 そこですよね。失敗しないと学べないこともありますし、経験して失敗しないと自分の中に残らない。

勝屋 それともう1つ。僕がよく陥りがちだったのは、失敗して自己否定のスパイラルに入ってしまうこと。今なら分かりますが自己否定だけはもったいないと思います。失敗したらちゃんと考察すればいいだけの話ですから。

鳥越 自己否定ではなく、自分を客観的に考察して、自分の視点をちょっと高くしてあげるだけで、色んなものが見えるようになる。あたらしい自分が生まれる瞬間ですよね。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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