プロ奢ラレヤーさんをUX分解 Vol.1

 
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戦略なき戦略!? 消去法で生まれた「プロ奢ラレヤー」という生き方

「プロ奢ラレヤー(@taichinakaj)」さんはその名の通り、奢られることをプロフェッショナルな活動にしてしまった21歳の男性だ。住所不定無職だが、お金には困っていないという。会いたい人にだけ会い、寒ければ温かい国に移動してしまうという自由さに惹かれてか、Twitterのフォロワーは4万人以上。弱冠21歳にして新しい生き方を見つけた現代のインフルエンサーに、質問をぶつけてみました。

消去法なので選んだつもりはないです

ー「◯◯さんをUX分解」第1回のゲストはプロ奢ラレヤーさんです。自己紹介をどうぞ!

自己紹介と言われても、会社をやっているとか何かを成し遂げたとかは何もないんで、なんでチヤホヤされるのか分からない人間なんですよ。

 

ーそこが他の人にはすごく魅力的に映るのだと思いますが、人と違う生き方をしているという意識はない?

当たり前のことをやっているだけなので、違うという意識はないですね。

飯と宿があれば生きていけるということは、みんな分かっていることじゃないですか。それをただ自分はやっているだけで、やっている人がほかにいないだけですね。

 
 
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ーどうしてこういう生き方を選ばれたのですか?

選んだつもりはないです。単純に、用意されたものを手に取れなかっただけで。

 

ー手に取れなかったとは?

電車に乗って毎日通勤して…みたいなことができなかっただけで。2日ぐらいだったらできますけど、3日以上できないと一般的には「できない」ですよね。

だから選んだというより、単純に消去法。用意されたのがキーマカレーだけで、キーマカレーが好きな人だったら食べられるけど…という感じです。

 

ー普通は「世の中のレールにはまらなきゃいけない」という潜在意識が働くと思いますが、プロ奢さんにとってはキーマカレーかタコライスかという程度の選択なんですね!

そうですね(笑)。どっちもできるけど選ばなかったなら美談になりますけど、僕は片方はダメだったからもう片方をやっているというだけですね。

今の時代、オフレコがいちばん面白い

 
 
Illustration by Risa Ikami

Illustration by Risa Ikami

 
 

ー社会に適合できない時、世の中への不平や不満を言って終わる人もいる中、プロ奢ラレヤーというキャラを確立して周りを巻き込んでいます。そこに至るストーリーを教えてください。

ストーリーなんかあるかなあ。いつもそういうことを聞かれるんですけど、意味あるのかなって。いや、バカにしてるわけじゃないですよ! でもそれを知った人の何かが変わるわけでもないし、まったく同じことが起きることってないし、聞いても誰にもメリットなくないですか(笑)?

 

ー確かにお聞きしても真似はできないし、おっしゃる通りかもしれません…。

単純に素でやってたらこうなっただけで、すごい戦略があるかっていうと、ないですよ。あとで分析して成功要因を見つけることはありますけど。

 

ー「素でやる」のがもっとも難しいことだと思いますが、その中では失敗もありましたか?

あったんじゃないですかね。でも流れでやっているので、そんなに失敗したという感覚もないですね。挑戦も勝負もしないので。

 

ー奢ってくれる人を募って会うって、今までの既成概念を覆すことですよね。

面白い人に会いたいと思って始めたので。その一番の口実は「ご飯に行きましょう」ですよね。ただSNSでは会うのもハードルが高いし、毎回誘うのも大変なので、今の形になりました。プロ奢ラレヤーという名前にしたのも、活動が一発で分かるので向こうから連絡を貰えて楽になるなと。

 

ー「面白い人に会いたい」が動機だったんですね。では最初は有名な人に声をかけていた?

いや、有名じゃなくても単純に声を掛けられたら行くというぐらいでした。でも自分の知らない人の中にも面白い人はいるはずなので、そこにどうリーチするかを考えた時、そういう人が僕に声をかけやすい仕組みを作ったという感じ。

会って喋るだけが目的なので、飯もテイクアウトでも牛丼でも高い寿司屋でも何でもよくて。

 
 
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ー会うことに意味があるということ?

意味っていうより、何か活動している人はたいてい「実は…」みたいな黒い話があって、オフレコがいちばん面白い。でも生配信とかデジタルに残るものでそういう話をする人はいないから、今の時代、会って話すのがいちばん楽しいじゃないですか。この人はどういうオフレコを持っているのかなっていうのが興味がありますね。

 

ー今、どんな人に会いたいですか?

いや、特にないですね。直感で面白そうだと思ったら会っているので、そんなに切望して「誰か」「何か」というのは全くないです。

 

ーでは、今まで会った人の中で面白かったのは?

今まで2000人ぐらいと会っていてそれぞれ面白いし、この人が面白くてこの人は面白くないというのはないですね。あと基本的に記憶が全部飛ぶので覚えられない(笑)。

ただ、「華がある話」というのなら、Voicy(ボイシー https://voicy.jp/channel/709 )に残ってるやつですね。ラジオメディアみたいなもので、会話を録音してフォロワーと共有できるんです。

奢りに来た人の中で、SM嬢とか、学費をクラウドファンディングで集めた中学生とか、裏垢女子とか、ディープかつアングラな人たちは(配信などは)やりたがらないので、出して問題ない部分だけ出してます。

でも「この回が面白かった」というのはみんな違うので、ある意味ダイバーシティだなと思いますね。

 
 
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最高効率で会える「奢られる」という経済活動

ー多様な人たちに奢られ続ける中、面白い人に会いたいというのは今もブレないんですね。

僕は面白い人に会いたいだけなので。別にお金がないからやっているというわけでもなく、最高効率で会うためにはこのやり方かなと。

 

ー最高効率とは、つまり?

たとえば100万円があって「面白いと思う人に会ってください」と言われても、100万円ではたぶん会えない。その人に時間を割いてもらって、かつ自分に興味を持ってもらうことって、すごく難しいと思うんです。それに向いてる資本ってお金じゃなくて、じゃあ何かというと僕が今やっているようなことかなと。

友達のユーチューバーのジョーブログくんとかは会うたびに奢ってくれていて、でも彼はクラウドファンディングで「サシ飲みの権利」を20万円ぐらいで売っている。だから5回会えば100万円の価値があることになって、それっていわば経済活動だなって。

 
 
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ーなるほど、奢られるというのは経済活動なんですね。

しかもお金を20万あげるとなると手元から移動しちゃうけど、僕の活動はいくら会っても減るどころか、その人間に会ったことで面白い話をもらえる。資源が減らないし、それを持ってまた次の面白い人に会うこともできる。

ー資源が減らないどころかむしろ経験値が上がっていくと。

雪だるま方式で上がりますね。

 
 
 
 
 
 
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