「お金はそもそも、仮想なんだ」Vol.1

 
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そしてビットコインが生まれた

サトシナカモトがビットコインを考えた

鳥越 そもそも本間さんが仮想通貨やブロックチェーンに興味を持たれたきっかけというのは何だったのでしょう?

 

本間 私がビットコインを知ったのが2013年の2月です。多くの方がそうですが、ビットコインを知った最初の1回目か2回目はスルーしますよね。なんかあやしいと思ってしまう。私もそうでした。

ところが、リスボンの空港で雑誌の「WIRED」を見たら、UK版とUS版でどっちもビットコインの特集をしていたんです。

 

鳥越 どちらも?一体どんな内容だったのでしょう?

 

本間 「もしあなたがディナーに行くとしたら、誰と行く?」といった話で、ピーター・ティール(PayPalの創業者、投資家)など、シリコンバレーの超有名人が口をそろえて、絶対”サトシナカモト”だと答えていて。

 

鳥越 おお。

 

本間 「もしサトシとディナーに行けるなら、あらゆるものをキャンセルして行く」って。そんな記事を見たもんですから、どうやらビットコインは本物らしい…と思い始めたのがきっかけです。

 

鳥越 ”サトシナカモト”が、ビットコインを生み出したと言われていますね。

 

本間 そうです。サトシナカモトがビットコインを、ホワイトペーパー7ページ分くらいの論文にまとめた人なんですね。実はサトシナカモトは、いまだに匿名性を保っていて、本当は誰だかわからないんです。

 
 
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鳥越 うちのCTOに“サトシナカジマ”という人物がいて、マイクロソフトでウィンドウズやインターネットエクスプローラーを開発したのですが、よく間違えられて「お前じゃないのか?」と聞かれるってぼやいています(笑)。

本間 彼の可能性もなくはないですね(笑)。とにかく、ビットコインはとんでもない発明なわけです。こんなすごいものがあるんだと。自分も非常にショックを受けました。

 

鳥越 そのショックが本間さんとビットコインの出会いだったわけですね。

本間 サトシナカモトはそのアイデアをホワイトペーパーに書いて、メーリングリストに投稿しました。その後に、彼のビジョン、コンセプトを共有しながら、ビットコインという活動を「ビットコインD」というオープンソフトで始めました。

そしたら、色んな人が飛びついて、みんなでビットコインを作り続けて、今日に至っているという状況です。

初めはただのコミュニティだった

鳥越 はじめは全く利害関係のないただのコミュニティで、遊び感覚で作っていたイメージですか?

 

本間 最初はサトシが色々言っても、みんな無視というか、かなり冷たい扱いでした。ただ彼は、ホワイトペーパーにとどまらず、コードも書いたんですね。それを骨子にみんなで作り始めたというわけです。

 
 
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本間 ところが、最初の2年くらいはビットコインの価値は0円なんです。ただ実験するだけで、価格がついていませんでした。

それがある時、誰かがピザ2枚と交換してくれたことで初めて価格がつきました。そこからどんどん価値が上がっていったんですね。

 

鳥越 ピザ2枚というと今から考えると相当安いですよね?

 

本間 そう、とても安かった。その当時のビットコインの金額をいま市場に出したら100億円ほどとも言われ、とにかくすごい価格です。

 

怒りが中央集権型ではない分散型の通貨を生み出した

 

鳥越 そもそもビットコインは、何を目的に考え出されたんですか?

 

本間 ビットコインは実はドルに対する代替として現れたんです。2008年にリーマンショックがありました。その時、銀行に対する怒りが渦巻いていたんですね。

鳥越 具体的にはどんな怒りだったのでしょう?

本間 本来、銀行家というのはリスクを取って、儲ければ自分の利益ですし、失敗したら自らの責任です。ところが、リーマンショックが起きて失敗しても、国が税金で救うということが起きた。

それはつまり、銀行家がやっていることは絶対負けないゲームであり、ただただ儲かるだけだと。それをゴールドマンサックスとモルガンスタンレーとAIGというアメリカの金融機関がやってしまったわけです。

 
 
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鳥越 確かに周りからすれば、ただ儲かるだけで危なくなれば税金で救われるのであれば不満も溜まります。

 

本間 そうなんですよ。そもそもアメリカは貧富の差が激しいのに、ウォールストリートばかりがめちゃくちゃ儲けちゃったので、全米がウォールストリートの人たちに対して怒った。

そして、そうした怒りから、サトシナカモトもビットコインを作り始めた。

 

鳥越 銀行が管理するのではない、新しいお金の形の模索ですね。

本間 そこから今ちょうど10年。サトシのウォールストリートへの対抗措置としてのビジョンが、ドルに対抗するビットコインをここまで育てた、というか育ってしまった。

鳥越 その時のサトシナカモト達の怒りが、銀行やFRB(連邦準備理事会)によって管理される中央集権型ではなく、分散型の通貨にしようというモデルを生み出したのでしょうか?

本間 そこも面白くて、1995年から2003年頃のITバブル崩壊までにも、いろんな人たちが「デジタルキャッシュ」というのを作っていたんですよ。

 

鳥越 はい。

 

本間 NTTデータ、日立など、日本でもいろんな企業が作りましたし、世界中でトライされました。しかし、それが全部失敗したんです。なぜかというと、必ずどこかに攻撃点があって、そこを攻撃されてダメになってしまった。

 

鳥越 ということは、システムの脆弱性みたいなことがあったということですね?

本間 その当時は、システムの脆弱性もあったと思いますが、そもそもコンピューティングパワーもネットワークの力も弱く、UIが悪かったんですよね。UI/UXはとにかく最悪でした。

ただそれでも商業にもなって、色々頑張ったけれども、倒産したり、潰されたりとにかく失敗ばかりで、そろそろみんなが諦めていた頃でした。

 

鳥越 ブームが去ったのですね。

 

本間 デジタルキャッシュというとPayPalが一番成功しているように見えますが、PayPalはクレジットカードを使っているに過ぎません。クレジットカードというのはインターネット以前の技術ですからね。 

クレジットカードという物理的なものを、インターネットで無理やり使ってるだけなので、当初みんなで考えていたデジタルキャッシュからはほど遠い。

 

鳥越 確かに。

 

本間 PayPalの人たちはビットコインを見て悔しがってるはずなんですよ。本当は俺たちはこれをやりたかったと。

ということで、その長いデジキャッシュの試行錯誤と挫折が95年から2003年くらいまでありました。その後、多くの人たちがデジキャッシュなんて忘れてた頃にサトシナカモトがホワイトペーパーを書いて、ビットコインがはじめて世に出たわけです。

 
 
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鳥越 仮想通貨の大きな歴史の始まりですね。

 

本間 ビットコインが出るまでに約20年かかったんですね。すごい長い助走期間があって、その間にPKI(公開鍵暗号基盤)だったり、いろんなセキュリティの技術も出来て、集大成的にはじめて出てきたんですよ。

ブロックチェーンとは特定の国に属さない通貨

 

鳥越 よく、「ビットコインは特定の国に属さない」と言いますね。

 

本間 そうですね。例えばSuicaだったり、ANAのマイルというのはJR東日本やANAが保証しています。TSUTAYAのポイントはツタヤ(CCC)が保証しています。同じように日本円というのは日銀が保証しているわけです。

これらのポイントやマイル、法定通貨というのは、信用の元があります。「私が保証します。私が信用の源です」という。

 

鳥越 それらは、中央集権型といわれるものですね?

 

本間 いわゆる常識的な中央集権です。一方で、金(Gold)や銀というのは、自然にあるもので、実は裏付けがありません。あるとしたら、錆びない、腐らないといった性質が変わらないということだけ。

それでも金(Gold)は、量が少ないので、その価値を8千年くらい保ち続けているものなんですね。

 

鳥越 つまり、ビットコインも金(Gold)と似ていると?

 

本間 ビットコインは金(Gold)と同じように量が限られています。あえて、上限を2100万になるように指定しているんです。それはプロトコルで設計されているし、ビットコインDに記されています。

 

鳥越 面白いですね。制限があるからこそビットコインの価値が保たれる。

 
 
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本間 そうです。それが価値の1つ。それからビットコインの場合、攻撃点をなくしたわけです。誰からも攻撃できないようなシステムを作った。

 

鳥越 だからこそ、国やどこかに属さずにやっていけるということなんですね。

 

本間 そうです。企業や国のような信用の裏づけになるものは何かというと、プロトコルとソフトウェアとそれを走らせているネットワークだけです。コンピューティングパワーが保証を担っているわけです。

 

鳥越 それらのコンピューティングパワーが強いからこそ、誰からも破られないシステムであり信用の裏付けになっていると。

 

本間 はい、まさしくその通りです。サトシナカモトのホワイトペーパーと「ビットコインD」というソフトウェアと、そのソフトウェアを走らせている世界中にいる「マイナー」と呼ばれている人たちが、サトシのプロトコルに基づいてひたすら計算し続けています。

よく怪しいとか、複雑だといわれますが、私からすればある意味シンプルだと。プロトコルがあって、ソフトがあって、マシン走らせて、それがピアトゥピアで世界中で繋がっているだけなので、それは攻撃をするのがとても難しいと。それだけなんですよね。

 
 
 
 
 
 
 
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